コラム

知的財産権を侵害する独立サイトの削除実務


 中国インターネット環境の発展、スマートフォンの普及などにより、EC、SNS、独立サイトにおいて、模倣品の流通や、その他の知的財産権侵害の被害が後を絶たない状況である。ECやSNSについては、既に多くの権利者の方でリンク削除対策が取られているが、独立サイトに関しては、対応方法が不明確、成功率が低いということもあり、積極的に対策が取られていない実情がある。


 独立サイトの削除については、一般的には、①独立サイトのドメインISPに対して、その独立サイトのドメインサービスを停止するよう要請する方法と、②独立サイト運営者に侵害ページの取下げ、内容修正を要請する方法がある。


ドメインISPを通じた対応


 ドメインISPは、権利者の要請に応じて、直接サービスを停止することは多くとは言えないが、一方で、権利者の要請内容を独立サイトの運営者に転送し、独立サイトに対して自ら措置を取るよう要請することが一般的であるため、また、この対応自体、手間もそこまで多くないことから、試す価値はあると言える。ここでは、中国最大のドメインISPであるアリババグループ傘下の「阿里雲(アリクラウド)」(www.aliyun.com)に対する削除要請方法を紹介する。アリクラウドは削除要請を行うための専用フォームを設けており、以下ではこの専用フォームを通じた削除要請が可能である。


警告状送付を通じた対応


 上記対応方法以外に、弁護士による警告状を送付することで侵害事実を摘示し、独立サイトの取下げ、侵害行為掲載箇所の修正を求めることも可能であり、ケースによっては、警告状送付後の交渉を通じて、解決に繋がることも少なくない。もっとも、たとえば、意図的に大量の模倣品を日常的に製造・販売しているような悪質性の高い業者は、もとより確信犯的に侵害行為に及んでおり、法的知識が乏しいことも少なくないので、失敗することも多いのは要注意である。


 弊所のこれまでの経験上、警告状の送付を通じて、侵害業者から侵害行為停止の承諾を得たのは、全体の6~8割程度であり、そのうち、口頭での侵害停止の承諾は4~5割、書面による侵害停止の承諾(侵害行為を停止し、今後、権利者の知的財産権を一切侵害しないと保証する旨の書面)は2~3割程度となっている。


 総じて、警告状送付後の交渉等のフォローをしっかり行えば、侵害者が口頭で侵害行為の停止に応じることは一定程度あるが、文書で侵害しないことを誓約したり、侵害停止以外の要請事項に応じたりする可能性は一般的に低い傾向にある。


※本内容のより詳細な情報は、弊所のニュースレター2022年2月号でご紹介しております。ご希望の方は「お問い合わせ」よりご連絡ください。


著者情報

IP FORWARD法律特許事務所

中国弁護士 

周 婷/Zhou Ting


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