中国は欧州における特許版図を加速的に拡大している
欧州特許庁の首席サステナビリティ責任者兼報道官であるロマノ=グッチ氏はこのほど、新華社の記者によるインタビューにおいて、中国の欧州における特許展開が急速に拡大しており、出願分野もデジタル通信やコンピュータ技術といった従来の強みの分野から、交通輸送や半導体を含む、より広範かつ多様な技術分野へと急速に拡張していると述べました。
欧州特許庁がこのほど公表した2025年技術インデックス報告によれば、同庁が2025年に受理した中国からの特許出願は22,031件であり、前年比9.7%増加しました。中国からの出願件数は第3位に上昇し、上位10か国の中で最も高い増加率を示しました。
ロマノ=グッチ氏は、「2025年において、中国の交通輸送分野の特許出願は前年比31.2%増、半導体分野では前年比30.3%増となり、いずれも主要な国・地域の中でトップです」と述べました。また、「中国はバイオテクノロジーおよび有機精密化学分野においても安定した成長を示しており、中国のイノベーションの配置が引き続き多様化していることを示しています」としました。
2025年、欧州特許庁が受理した特許出願件数は初めて20万件を突破し、上位5か国は米国、ドイツ、中国、日本、韓国の順でした。また、中国企業として初めて2社が企業別ランキングの上位10社に入り、ファーウェイと寧徳時代がそれぞれ第2位および第10位にランクインしました。さらに、小米、中興、OPPO、テンセントの4社が上位50社に入りました。
ロマノ=グッチ氏は、中国が人工知能、クリーンエネルギー、半導体といった戦略分野への研究開発投資を継続的に拡大していることが、より多くの技術成果の創出を加速させていると指摘しました。特許出願件数の継続的な増加は、中国のイノベーション能力の向上を直接的に反映しています。中国のイノベーション主体は、ますますグローバル市場に向けてイノベーション活動を展開し、国際的な視点で特許ポートフォリオを構築しており、中国が世界的なイノベーション拠点としての重要性を高めていることが際立っています。
弊所代理人コメント
欧州は、単一特許(Unitary Patent)制度の導入により、広域かつ効率的に権利行使が可能な市場となっています。中国企業が欧州での出願を加速しているのは、単なる市場参入ではなく、将来的な訴訟・ライセンス交渉を見据えた布石と考えられます。
中国は「出願数の国」から「グローバルで権利行使を前提とした特許戦略を展開する国」へと明確に移行しています。ただし、単なる件数ではなく、どの市場で、どの層の権利を、どのタイミングで押さえるかという戦略設計の重要性が、これまで以上に高まっているといえるでしょう。
出典:中国国家知的財産権局 日付:2026年4月2日
編集・翻訳者情報
担当:IP FORWARD法律特許事務所

