コラム

商標事案:「柞茅」は先行商標「茅」と商標の類似性で出願却下

 2021年6月22日に、姜某林が「柞茅」商標第33類の出願を提出したが、その商標について、中国国家知識産権局は出願を却下した。その出願商標と第8879212号「茅」などの六つの引用商標は、同一又は類似商品に使用された近似商標である理由から、「商標法」第30条の規定に違反すると認定した。


 姜氏はこの決定を不服として、法定期限内に北京知財法院に行政訴訟を提出したが、二審審理の結果、裁判所は訴訟商標と引用商標の商標資料、被訴裁定、及び各当事者が提出した証拠書類と当事者陳述などの証拠があるため、原審の訴争商標出願が「商標法」第30条の規定に違反していることは事実であり不当ではないと判断した。


 出願商標の商品が先願商品と類似しているかどうかを判断するには、商品の機能、用途、生産部門、販売経路、消費者層が同じか、また関連性が高いかどうかを考慮する必要がある。一般的に、何が類似商品であるかを判断する基礎として、事件当時の「類似商品・役務区分表」を使用して判断する。


 本件において、訴争商標の指定商標である「白酒」と引用商標の使用を許可された商品は、機能、用途、生産及び販売などの面で同一または関連性が高く、区分表において同一または類似商品に属するので、上記商標は同種商品または類似商品に該当する。


 商標に関して、訴争商標の識別漢字は「柞茅」であり、引用商標の識別漢字はいずれも「茅」であるため、訴争商標と各引用商標が同一商品に使用されると、関係者がそれらの主体は同一又は特定の関係があると判断しやすい。また、二審で姜氏が提出した証拠は、訴争商標の知名度を証明するには不十分である。さらに、二審審理を終了するまで、引用商標は先行有効登録商標であるため、訴争商標の出願の先行障害となる。よって、「柞茅」商標は出願却下を確定した。


 一般の区分であれば、「柞茅」と「茅」は非類似商標と認定される可能性が高いが、酒、タバコなどの特別な区分において、著名商標への保護がほかの区分のものと比べてはより強いため、他社の登録済み有名商標の文字を含まれるかについてを予め注意したほうがベストである。


出典:知産宝(https://mp.weixin.qq.com/s/ThNRC3fVkENhUNOhciE9vA

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