お客様の声

サントリーホールディングス株式会社(SUNTORY)

事業部名:グループガバナンス本部
担当者名:ブランド知財マネジメント部長   羽鳥 裕子様
     ブランド知財マネジメント部課長  山本 敬一様
     リスクマネジメント推進部  半田 雅人様

模倣品のパターン化・ルール化により業務効率向上を実現

「セサミン」シリーズをはじめとするサプリメントを開発・販売しているサントリーホールディングス株式会社は、主にアジア市場において、侵害貨物が小口化することで模倣品とお客様の距離が近くなり、安全・安心が脅かされているという課題に直面していました。そこで、同社はIP FORWARD のオンラインモニタリングサービスを導入。模倣品とお客様の接点の減少に取り組んでいます。

お客様の安全・安心を最優先

羽鳥:当社のサプリメントだと思って購入されたお客様から「これは本物ですか?」という問い合わせが台湾事務所に入ったことで、初めて模倣品の存在を知りました。当社の製品は正規の通販サイトでしか販売していないので、そこで購入したものが偽物であることはあり得ません。ですので、模倣品があると知り、驚きました。

山本詳しく調査したところ、お客様が購入したのは別のサイトで、多くの製品が中国の港から出荷されていることがわかりました。中国で作られ、中国の業者がC to C サイトやB to C サイトに出品し、それを台湾のお客様が購入されたようです。

羽鳥:現時点でわかっている模倣品には毒性こそないものの、不衛生な環境で作られていることは否めません。当社は、口に入れるものを扱っているメーカーであり、お客様の安全・安心が第一です。そのため、自社のブランドを保護する以前に、お客様の身体的・精神的な健康を守ることが責務だと思っています。

オンライン化がもたらすパラダイムシフト

半田:模倣品問題は、時代とともに変化してきました。以前は、人から人へというリアルな手段での模倣品売買が主流でしたが、現在は状況が一変。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、e コマースの利用が拡大し、結果として模倣品が紛れ込む機会が増えています。

羽鳥:オフラインからオンライン化へのシフトが進んだことで、模倣品の取引も小口化しています。少しずつ作り、少しずつ出荷し、少しずつ買うという流れになり、これらの商品が簡単に個々の消費者へ行き渡るようになりました。このような背景から、模倣品とお客様の接点を減らすために、IP FORWARD のオンラインモニタリングの導入検討に至りました。

山本:IP FORWARD が中国、アジアでのネットワークが強かったことも大きかったように思います。端緒となったサプリメントの発見が台湾だったように、同地域では模倣品が多く当社のビジネスに影響を及ぼす可能性があるため、台湾での対策が急務だったからです。

模倣品対策の効率化を図る

半田:2021 年12 月からオンラインモニタリングを導入しました。当初は、多くの模倣品にどのように対応すべきか手探りでしたが、模倣品のパターン化やルール化により、作業効率が向上しました。例えば、サプリメントのパッケージには、現在進行形で売られているものだけでなく、1 年前や2 年前のものもあります。その情報をIP FORWARD と共有しながら、、「このパターンは昔のパッケージだから模倣品ではないね」といった知識をお互いに蓄積し、ルールを確立していきました。

山本:模倣品をパターン化することで、具体的な対策が立てやすくなりました。これは大きな進歩です。最初は何が必要な情報かがわからなかったのですが、「昔のパッケージデザインをすべて提供できますか?」などの具体的なアドバイスをいただいたことで、求められていることが明確になり、大変助かりました。

羽鳥:模倣品対策を全方位で行おうとすると、非効率的になりがちです。とはいえ、社会的責任としてやるべき対策の一つだと考えていますので、それをいかに効率よく進められるかという点で、IP FORWARD のサポートはありがたい限りです。

模倣品業者にはオールジャパンで対抗

山本:基本的に模倣品業者は完コピの商品を作り、それが模倣品であることを見分けられないようにしています。そうはいっても、細部に違いが出るものです。IP FORWARD には、それらの違いを見つけ出していただくことで、「これは確かに違いますね」と認識した点を社内で記録し、削除を進めています。

半田:サイトの削除申請をして販売できないようにする作業を優先していることもあり、製造元を特定するまでには至っていません。製造元を摘発できれば、模倣品を根絶できるかもしれませんので、IP FORWARD とはそういった取り組みを始めつつあります。

羽鳥:模倣品を根絶することは当社だけでは非常に困難ですので、同業他社との連携も模索しています。「横の連携を深めて、オールジャパンで対抗していかなければいけないね」という話をしているところです。とくに、人生100 年時代において、サプリメントは大きな役割を果たすと考えています。新しい模倣品対策への積極的な取り組みを通じて、お客様に安全・安心な商品を提供し続けることが私たちの目標です。

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