民事訴訟事例

税関差止後に民事訴訟した成功事例

時期:2016年11月
場所:福建省福州市
案件種類:商標権侵害民事訴訟
対象製品:生理用品

当事者

当事者A:消費財メーカー
当事者B:中国生理用品製造業者

案件経緯

・中国税関による輸出入貨物の定例検査により、当事者Bの模倣品が発見され、当事者Aの商標権を侵害するものであったため、当事者Aは税関に対して税関差止申請を実施。
・税関差止を通じて、Aは税関からBの関連情報を入手し、製造業者であることが判明したため、刑事摘発や民事訴訟を視野に入れた調査に着手。
・調査を通じて、Bの経営実態が明らかになり、模倣品在庫数量、及び、相当な資力を持つことが明らかになったため、管轄裁判所に対して民事訴訟提起を実施。
・民事訴訟において損害賠償が認められた場合を想定し、その執行をスムーズに進めていくため、民事訴訟提起と同時期に、Bに関する財産保全も申請。
・裁判所はBの侵害行為を認定したうえで、侵害行為停止命令、100万元程度の賠償金支払命令について判決を下した。判決直後、財産保全した金銭から迅速に賠償金を回収。

総括

税関差止によって、差止対象製品の中国から海外への流通を止めることが可能であるが、一方で、根本的な解決のためには、その後の摘発や民事訴訟も視野に入れて実施することが重要である。
税関差止対応を通じて、当事者の情報をある程度入手できることが多いため、積極的に税関とコミュニケーションをとり、こうした情報を収集していくべきである。
賠償金獲得を目的とした民事訴訟については、判決後の賠償金回収を確実にするためには、財産保全制度も積極的に活用していくと良いと思われる。

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