摘発に伴う賠償金獲得成功例

刑事摘発に伴う賠償金獲得

時期:2018年8月
場所:広東省広州市、深セン市
案件種類:刑事摘発
対象製品:バッグ
 中国においては、現在も多くの日本企業が模倣被害に遭っており、同被害状況を少しでも抑えるべく、権利者は少なくない費用を模倣対策のために投じている状況にある。模倣対策の主たる手段は、摘発など法的措置を通じた処罰となるが、どんなに重たい処罰が科されたとしても、権利者に模倣対策に投じた費用が償還されることはない。

 模倣業者への民事訴訟は、模倣業者に対して損害賠償請求をすることで、実質的に、模倣対策費用を償還することが可能となり、近年、裁判所で認められる賠償金額も増額されてきていることから、訴訟には一定の時間を要し、また弁護士費用もかかるため、必ずしも、すべての案件について推奨されるべき手段とはならない。

 このような背景の元、弊方では民事訴訟以外の手段で、模倣業者から費用を回収すべく、刑事摘発など一定の場面において模倣業者に対して損害賠償金の請求という形で、訴訟外で交渉する対応を推奨しています。

参考事例の流れ

①前期調査
2018年6月、インターネットの調査を通じて模倣品販売店を発見し、調査により同実態拠点を特定した。

②刑事摘発
2018年8月、同拠点への刑事摘発を基点に、関連する製造業者、卸売業者、小売業者も特定したため、バッグの模倣品製造業者・販売業者などに対し、広東省広州市及び深セン市の所在地を突き止め、合わせて刑事摘発を実施し、各模倣業者の責任者を身柄拘束。

③賠償交渉
2018年10月、民事訴訟するなどとして、模倣業者に賠償金支払いの交渉を実施し、3業者から賠償金合計60万元程度(1,000万円相当)を獲得。

摘発現場の様子

刑事摘発を通じた賠償交渉のポイント

損害賠償金獲得手法

模倣品製造・販売の案件規模が大きい場合、模倣業者に対する刑事摘発が可能となるが、この際に賠償交渉を実施すると、模倣業者から賠償金を取得できる可能性が相対的に高い。調査会社が同責任者と個別に交渉を行い、権利者から模倣業者に対して更なる民事訴訟を行わないことなどを引き換え条件として、賠償金の支払いを求めていく。

この点、刑事摘発の際、模倣業者の責任者は必ず身柄拘束されるため、大きなプレッシャーが与えられている状態であり、また、刑事裁判で多額な罰金を支払う前段階で比較的資金に余裕があることもあって、結果として、賠償交渉が成功しやすい傾向にある。

賠償交渉のポイント

賠償交渉を通じて、双方が合意できれば、通常、模倣業者との間で賠償金支払いを合意する合意書を締結することが推奨される。同合意書では、賠償金支払いの他に、再犯した場合の違約金も明確にし、関連する模倣業者が大きい案件は、共犯者らにかかる情報の提供も要請することも考慮するべきである。

刑事摘発の対応実績

弊方の対応実績では、刑事摘発パターンの成功率は6~7割程度で、模倣業者の資力が大きければ大きいほど成功しやすく、また、模倣業者も比較的高い確率で契約どおりに賠償金支払いを履行する傾向がある。

獲得できる賠償金の相場は一概には言えないが、BtoB業界の案件の方が相対的には高く、1件あたり20~50万元程度、BtoC業界の案件の場合、やや低く、1件あたり5~20万元程度である。

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