コラム

BYD半導体部門スピンオフ上場、「創業板」IPOで26億元を調達

 比亜迪股份有限公司(以下「BYD」という)の発表によると、BYDの子会社の比亜迪半導体股份有限公司(以下「BYD半導体」という)による深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板(ChiNext)」への上場申請が6月29日に受理された。2004年に設立されたBYD半導体は、パワー半導体、知能制御(IC)、知能センサーの研究開発、製造および商業化応用などを主力業務とし、製品の多様化と技術革新が急速に進展し、市場地位が徐々に上がるとしている。今回のスピンオフ完了後もBYD自身の株式構造に変化はなく、BYDは引き続きBYD半導体に対する支配権を維持し、子会社のBYD半導体の財務状況と収益力は引き続きBYDの連結財務諸表に反映される。

 BYD半導体2020年度株主総会の決議によると、発行株式数(A株)は5,000万株を超えないものとし、本新株に係る資金調達の純額は、資金調達の総額から発行諸費用を差し引いた金額であり、資金調達純額の資金使途に関する詳細は以下の通りである。

単位:(万元)

通し番号
プロジェクト名
投資総額
計画する資金調達の金額
1
新型パワー半導体チップの産業化とアップグレード
73,617.98
31,238.47
2
パワー半導体と知能制御デバイスの研究開発と産業化
207,408.66
207,408.66
3
流動資金の補充
30,000.00
30,000.00

合計
311,026.64
268,647.13


 BYD半導体によると、今回調達した資金は主力業務を中心に使われ、全世界における車載用半導体ウェハーの生産能力が不足し続けている中、BYD半導体は、自社の生産ラインの構築や生産能力の拡張によってウェハーの安定供給を確保し、パワー半導体と知能制御(IC)の重要な生産プロセスの自主コントロールを実現し、自社の市場地位と総合的競争力を全面的に上げた。今回の資金調達は、BYD半導体の既存事業を踏まえて実施しており、資金調達のプロジェクトを実施することで、自社の主力業務の発展の基礎を築いた。資金調達プロジェクトに関する詳細は以下の通りである。



プロジェクト①:新型パワー半導体チップの産業化とアップグレード

 BYD半導体は、SiC産業の発展を図りながら、SiCパワー半導体のウェハー製造能力を向上させ、既存の6インチシリコンベースウェハーの製造経験に基づき、SiCパワー半導体ウェハー生産ラインを構築し、コア技術の自主生産能力を強化し、ウェハー生産プロセスのレベルを向上させ、SiCパワー半導体の発展における絶好なチャンスをつかむ。さらに、BYD半導体SiC産業のさらなる発展のために布石を打つ。



プロジェクト②:パワー半導体と知能制御デバイスの研究開発と産業化

 BYD半導体は、新エネルギー自動車電子産業の中核部品の需要に応じて、既存の生産能力と発展計画を結びつけることを計画し、中国長沙市に所在する半導体の既存工場にウェハー生産の付帯施設と専門的なプロセス開発者と生産者を導入した。月産2万枚の8インチパワー半導体と知能制御(IC)のウェハー生産プロジェクトを展開しており、パワー半導体と知能制御ICの持続的かつ安定的な供給を確保する。



プロジェクト③:流動資金の補充

 BYD半導体は、業界動向や自社の事業特性、事業発展計画などに基づき、今回の資金調達の30,000.00万元を流動資金の補充に使用することを計画し、自社の業務展開に必要な資金を提供した。現在、半導体業界は急速な発展段階にあり、プロダクト・イノベーションが急速に進展し、新製品ラインの研究開発を続けることによって、競争優位性を確保する必要がある。


著者情報

IP FORWARD

ビジネスサポート部 コンサルタント

秦 勝祥

秦 胜祥/Qin Shengxiang


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